【徹底解説】ミクシィの新サービス「Unlim」とは
突然ですが、スポーツ観戦はお好きですか?
私は大のサッカー好きなのですが、スポーツ観戦の醍醐味は応援することだと思うんです。
そんな中、新しい応援のカタチとして、株式会社ミクシィから以下の内容がリリースされました。
株式会社ミクシィ(東京都渋谷区、代表取締役社長:木村 弘毅)と一般財団法人アスリートフラッグ財団は、アスリート・チームへの新しい応援のカタチをコンセプトとした、スポーツギフティングサービス「Unlim(読み:アンリム)」を2月19日(木)より提供開始することをお知らせします。
そこで今回は、株式会社ミクシィの新サービス「Unlim」について紹介していきます。
Unlimについて
Unlimとは
Unlimは、応援だけでは伝えきれない、よりたくさんの「好き」「ありがとう」「頑張れ」という想いを、直接アスリートに届けることが出来る、スポーツギフティングサービスです。
主に、
- ①競技活動資金に充て新たな挑戦をしたい
- ②自身の活動だけではなくスポーツや競技そのものを盛り上げていきたい
- ③スポーツを通じて社会に貢献したい
といった思いを持つアスリートやチームに対して、金銭的な支援を行います。
また、登録アスリート・チームの審査や資金などの管理について公平性ある立場で運営するために、一般財団法人アスリートフラッグ財団が設立されました。財団の役員としてスポーツ界の著名な方々に関与してもらう、とされています。
Unlimの仕組み
画像(https://unlim.team/)より
ファンは、スポーツギフティングサービス「Unlim」を通じてアスリートフラッグ財団にギフティング(寄付)をすると、アスリート・チームに応援ポイントを贈る事ができます。アスリートフラッグ財団は、贈られた応援ポイントなどを参考にギフティングされた金額を原資として、ファンからの寄付受付金額の67%〜83%を各アスリート・チームに支援金として支払います。また、協業先メディアを経由してギフティングされた場合は、ギフティングされた金額の一部を協業先メディアに分配します。さらに、公益スポーツ団体等にギフティングされた金額の一部(3%)を寄付します。
Unlimがファンとアスリート・チームの仲介役になると考えれば分かりやすいかと思います。
また、寄付総額の約20%は協業先メディアや公益スポーツ団体等に分配されることになります。これにより、スポーツ界全体の盛り上がりを促進していくことが期待されます。
応援方法
私たちファンが寄付してから応援するまでの流れをまとめました。
- ①Unlimを通じて財団に寄付
- ②寄付額に応じて応援ポイントをもらう
- ③応援したいアスリート・チームにポイント利用
- ④ポイントに応じてUnlimからアスリート・チームに配分
要するに、私たちファンは間接的に応援したいアスリート・チームへ寄付することが出来るわけですね。
登録予定アスリート・チーム
Unlimの情報がミクシィからリリースされた2月5日時点での登録アスリート・チームを紹介します。
【アスリート】
- ・太田宏介 (Jリーグ・名古屋グランパス)
- ・西藤俊哉 (フェンシングフルーレ)
- ・髙梨沙羅 (女子スキージャンプ)
- ・寺地拳四朗 (プロボクサー)
- ・中村未優 (女子レスリング)
- ・畠山健介 (MLR・ニューイングランド・フリージャックス)
- ・星翔太 (Fリーグ・名古屋オーシャンズ)
- ・堀米雄斗 (スケートボード選手)
- ・三宅諒 (フェンシングフルーレ)
- ・森重真人 (Jリーグ・FC東京)
【チーム】
- ・FC東京 (Jリーグ)
- ・千葉ジェッツふなばし (Bリーグ)
- ・栃木ゴールデンブレーブス (プロ野球独立リーグ)
- ・ひがし北海道クレインズ (アジアリーグアイスホッケー)
- ・ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(スーパーラグビー)
多種多様なスポーツのアスリートが登録されていることが分かります。これにより、サッカーなどのメジャースポーツだけでなく、マイナースポーツのアスリートにも応援の輪が広がることが期待されます。
また、チームの登録には、ミクシィのエンタメ事業ブランドであるXFLAGがスポンサー契約を結ぶFC東京や千葉ジェッツなどが名を連ねました。
さらに、ミクシィの木村社長は自身のTwitterで今後も登録アスリート・チームが増えていくことを示唆しています。
Unlim、続々とアスリートやチームの皆様よりお問い合わせ頂いております。
— 木村弘毅 Koki Kimura (@kokikimura) 2020年2月6日
また、寄付にご興味がある企業様からもお問い合わせが。
後々、スポンサー企業様を掲載する広告モデル型によるアスリート支援も構想していたのですが、、、反響が大きい。コレは急がねば。#unlim
ミクシィの思惑
では、なぜミクシィはUnlimをリリースするのでしょうか。会社のビジョン等を踏まえながらきゃべつなりに考察していきます。(※個人の考察です。)
ミクシィのビジョン
ミクシィの企業ミッションとして「フォー・コミュニケーション」という言葉が掲げられており、コミュニケーションを通じて世界を鮮やかに変えていく、ことを目指しています。
この言葉通り、木村社長は公式HPで以下のメッセージを掲載しています。
現在はこの知見や組織力を活かし、「スポーツ」や「ウェルネス」の領域において、親しい人とのコミュニケーションを軸としたこれまでにない事業展開に取り組んでいます。
ミクシィはスポーツ事業を通して、コミュニケーションの創出を第一に挙げていることが分かりました。
そして、ミクシィのスポーツビジネスを詳しく調べてみると、この理念を体現していることが判明しました。
ミクシィの新形態ビジネス
通常、スポーツに出資する企業の狙いはPR効果です。しかし、ミクシィのやり方は一味違いました。
一番分かりやすいのがユニフォームのロゴです。一般的には企業ロゴが描かれていますが、ミクシィが出資しているクラブのユニフォームには、エンタメ事業ブランド名「XFLAG」のロゴが描かれています。
これについて、木村社長は以下のように述べています。
ちゃんと自立して、スポーツ自体がビジネスとして回っていくものにならないと、これ以上の成長はないと思っているので。『ビジネスとして成り立っていくような支援』をしていけたらうれしいなと思う。
「ミクシィ」の文字がメディアで取り上げられることは重要ではないというのです。
では、どのような支援を行うのか。
ミクシィは、提携するスポーツ団体と、広告費を出すだけの「スポンサー契約」ではなく、集客やマーケティング活動を共に推進する「マーケティングパートナー契約」を結んでいます。
実際、千葉ジェッツでは最先端の場内演出を導入したり、FC東京ではスタジアムに新しいコミュニケーションを生むイベントを開始しました。
そして、ブランド力が向上した段階で、Unlimを投入。ここでミクシィのビジネスは収益を生み始めるといいます。
要するに、今回のUnlimのリリースはミクシィにおけるスポーツビジネスの転換点というわけですね。
参照(https://www.fnn.jp/posts/00439270HDK)
スポーツ事業で再起を
Unlimがミクシィのビジネスモデルの上で大きな意味を持つことが分かりましたが、社運を左右する大きな挑戦になりそうです。
ミクシィの2019年3月期通期の決算を見てみると、
- ・売上高 : 前年比23.8%減
- ・営業利益 : 同43.3%減
- ・経常利益 : 同43.5%減
- ・純利益 : 同36.5%減
経営面で厳しい状況に立たされていることが明らかになりました。減収減益の主な要因として、モンストの収益低下やライフスタイル事業の減収を挙げています。
そこで白羽の矢が立ったのがスポーツ事業。2020年3月の方針として「モンストのリバイブ」と「スポーツ領域の事業成長」を掲げています。
経営面から見ても、Unlimの重要性が分かりました。
今後期待されること
Unlimは①スポーツ界 においても②ミクシィの経営面 においても大きな意味を持つことが分かりました。
最後に、Unlimが今後どのような影響を与え得るかまとめます。
スポーツ界
- ①アスリートの資金難を解消
- ②ジャイアントキリング
- ③メディアや公益団体を含めたスポーツ業界の振興
①アスリートの資金難を解消
アスリートやスポーツ団体の現状として、遠征費の捻出や、スポーツ選手を目指したり活動する中でも、家庭や生活の事情で断念せざるを得ない状況があります。
そのようなアスリート・チームがUnlimに登録することで、資金難の解消につながることが期待されます。
②ジャイアントキリング
あらゆるスポーツにおいて、チームによる資金力の格差が指摘されています。ファンが応援の声だけでなく資金面でサポートすることで、ジャイアントキリングを起こすくらいに、チームをファンの力で育て上げるといった可能性も期待されます。
③スポーツ業界の振興
上述した通り、寄付総額の一部は協業先メディアや公益スポーツ団体へ配分されます。それにより、スポーツ業界全体に好循環が生まれ、更なる振興が期待されます。
ミクシィ
- ①コミュニケーションの促進
- ②"モンスト頼み" からの脱却
①コミュニケーションの促進
Unlimは自分がシェアした先で何回ギフティングが行われたのか把握することができ、応援の輪の広がりを実感しやすい設計となっています。この機能により、ミクシィが掲げる「フォー・コミュニケーション」の実現が期待されます。
②”モンスト頼み” からの脱却
現状、ミクシィの収益の多くをモンスト事業が占めています。しかし、そのモンストが減収減益をする中で、新たな収益の柱としてUnlimへ期待が集まります。
Unlimだけでなく、ミクシィの今後にも注目ですね。最後までお付き合いいただきありがとうございました!